一般社団法人日本スポーツSDGs協会
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第1回 スポーツSDGsシンポジウムを開催 現役アスリートやJリーグが行う社会貢献・連携活動は?

2022.09.16

2022年9月12日に、『第1回 スポーツSDGsシンポジウム~スポーツ×SDGsの持つ可能性とは?~』を開催しました。

今回、協会発足から1年が経過した節目としてシンポジウムを行い、スポーツの持つポテンシャルがSDGsにどのような影響や効果をもたらすのか。実際の活動を通じて、人の行動変容にどのような影響をもたらせることが出来たのか。

今後のスポーツSDGsのあるべき姿などについて、フェンシングエペ団体金メダリストの見延和靖、日本プロサッカーリーグ社会連携部 部長の鈴木順氏、野村総合研究所コンサルティング事業本部シニアパートナーの三﨑 冨査雄氏をゲストに迎え議論を行いました。

まず司会を務めた当協会代表の鈴木朋彦が、この1年間の協会の活動を報告。フェンシングの折れた剣に着目し、折れた剣の再利用策を検討する『折れ剣再生プロジェクト』をはじめ、大分県玖珠町では『スポーツ×援農事業』として、椎茸栽培と野球教室のイベントを実施するなど、幅広い活動を行い、スポーツ界のSDGsの可能性について話をしました。

次に見延が、発起人である『折れ剣再生プロジェクト』についての想いを語りました。

「長年続けてきたフェンシング界に恩返しがしたいという想いで、本プロジェクトを発足しました。8月中旬には、私の地元である、福井県越前市で開催したフェンシングの大会で、折れてしまった剣からメダルやタグプレートを作成し、子供たちに手渡すことができました。ジュニアの試合もコロナ禍で無くなってしまい、子供たちも“世界で戦った剣からできたメダルをほしい!”と、気合いが入っていました。今後も継続して、このような活動をできれば良いなと思います」

と現役アスリートだからこそできる活動について、自身の見解を述べました。

Jリーグは「社会連携」を重要視

後半には、ゲストとして登壇した日本プロサッカーリーグ社会連携部 部長の鈴木順氏が、Jリーグの社会連携の具体的な例について発表しました。

「私たちは、社会連携活動をシャレン!と言っています。2018年からスタートしており、社会課題や共通のテーマ (教育、まちづくり、健康など) に、地域の人・企業や団体(営利・非営利問わず)・自治体・学校などと、Jリーグ・Jクラブが連携して活動をしており、SDGsにも貢献しています。具体的な取り組み例としては、静岡市と清水エスパルスが協力して『静岡市シェアサイクルPULCLE(パルクル)』を行っています。静岡市の交通アクセスの悪さを解消するために、地元・清水エスパルスのブランド力を活用して、多くの人にシェアサイクルを使用してもらうことで、車の使用率も減らせることから、CO2(二酸化炭素)の削減にも繋げるという試みを実施しているんです」

この取り組みは、2021Jリーグシャレン!アウォーズで『パブリック賞』を受賞するなど、地域課題・社会課題解決の一助になっています。

「子供たちのため、地域のためなど、共通の目的・課題が具体的になることで、推進力も上がり、地域のJリーグクラブとも連携し易くなると思います。これからも地域のチームと共に問題を解決していければ、とても良いことですね」

と鈴木氏。地域の課題解決がSDGsにも繋がっていると話しました。

企業&経済・社会から見たスポーツの変化は?

最後に、野村総合研究所コンサルティング事業本部シニアパートナーの三﨑冨査雄氏が、企業・経済から見たスポーツの変化について、アンケート調査を基に話しをしました。

「コロナ前は、健康増進維持のためにスポーツが役立つという回答が多かったのですが、コロナ禍の現在では、経済の活性化、国際的な親善などに役立つという回答が多くなりました。健康増進や趣味ではなく、色々な価値をスポーツが持っているということが認識され始めたことが分かりました。コロナ禍もあり、上記のように市民もスポーツの多様な価値を考え始めているのと同時に、企業も従来以上に社会貢献・CSRを意図して、スポーツを支援しようという動きがあります。さらには、政府もSDGs推進に向けて、スポーツ関連事業を活用するなど、こういう時期だからこそ、SDGs&社会貢献という観点でスポーツを支援いきたいという傾向は急速に進んでいますね」

現役アスリート、Jリーグ、現在の社会的状況から『スポーツ×SDGs』の持つ可能性を改めて感じることができた本シンポジウム。次回の開催も、お楽しみにしていてください。